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天聖経4-1

・ 『天聖経』 第四章 真の家庭 『天聖経』 第四章 真の家庭 1
・ 『天聖経』 第四章 真の家庭 はじめに  今までの人類歴史において、天道と三綱五倫という古い法度が、世の中を収拾する人倫道徳の一つ の母体となってきました。しかし、終末である今、それらのものがすべて崩壊してしまい、その結果、 極度の個人主義、愛の秩序を破壊するフリーセックス、同性愛のホモ・レズが乱舞する時代となりま した。そして真の愛を中心として理想家庭を願ってきた天の側を完全に破壊する地上地獄の時代と なったのです。 エデンの園における人間始祖の堕落によってその種が蒔かれたがゆえに、そのような現象が世界的に 展開し、堕落の実を刈り取る収穫期が来たのです。堕落した偽りの父母の因縁を中心として、神様と 関係のない伝統を受け継ぐことによって、この世界は混乱と混濁の世界となりました。  言い換えれば、人間始祖が自らの責任分担を完遂することができずに不倫な血縁関係を結んだため に、その後の人類はサタンの子女として、忠実な僕として、サタンの主管を受けるようになったので す。  そのため、復帰摂理は、サタンの血統と生命と愛を分立し、神様の善なる血統と生命と愛を復帰し てきたのです。したがって全人類は、サタンと関係のない、本然の血統と連結された神様の真の息子、 娘として生まれ変わらなければなりません。  それゆえに、真の父母がこの地に来られて新しい主義を立てなければなりません。それが真の家庭 主義です。真の家庭主義は、神の真の愛主義です。神の真の愛主義は、家庭を越えて国境を超越し、 この平面的な世界をすべて超越します。そして互いが授け受けするにおいて、まず自分が先に授けよ うとする主義なのです。  本書は、真の御父母様の真の家庭に関する愛の言葉が満ち溢れ、読む者の本心を目覚めさせるに余 りあります。そして、神様が本来人間に対して願っていた真の子女の心情と真の兄弟の心情、真の夫 婦の心情、真の父母の心情を体恤し完成していくにおいて、適切かつ貴いみ言がこの本に盛り込まれ ています。ゆえに真の自由と平和と幸福に満ちた家庭を成そうと願うすべての方々の良き道しるべと なることを確信します。  本書を訓読される皆様の家庭が、日ごとに真の家庭として成長し復活する生活となることを祈願い たします。 -------------------------------------------------------------------------------- 日本語版発刊によせて  これまで十二冊からなる小冊子シリーズとして多くの人々に親しまれてきた『真の家庭』が、この たび一冊の本として出版されることになりました。元来このシリーズは真の家庭運動を推進するため のテキストとして、まだ統一原理を学んだことのない一般読者の方々にも、人類の真の御父母様であ られる文鮮明先生の説かれる真の愛の理想が理解できるようにという意図で編纂されたものです。し かし、既に原理を学んでいる私たちが改めて読み返してみても、家庭のあるべき姿について実に多く のことを教えられ、心動かされることが少なくありません。  文鮮明先生の語られるみ言には、常に普遍的な真理の力がみなぎっていますが、このテキストはそ れが最も平易な言葉で表現されたものであり、まさにすべての人が読むべき「真の愛の教科書」であ ると言えるでしょう。これまで文鮮明先生は「四大心情圏」について数多くのみ言を語ってこられま した。そして私たちが日々唱和している「家庭盟誓」の中にも、四大心情圏の完成という目標が掲げ られています。それは私たちが日々の家庭生活の中で、子女の愛、兄弟姉妹の愛、夫婦の愛、父母の 愛という四つの型の愛を啓発し、それらすべての愛を授け受けすることができるような心情を自らの 中にはぐくんでいくことを意味しますが、そのための具体的な方法や心構えが本書の中には実に丁寧 に解説されています。  今日、私たちのまわりの社会では、「家庭とは何か」という概念そのものが危機にさらされていま す。伝統的な父母と子からなる家庭の概念を相対化して、離婚・再婚がもたらしたステップ・ファミ リー(継母、継子など、血縁のない親子関係を含む家族)、未婚・非婚の母と子の家庭、あるいはゲ イやレズビアンのカップルまでも「アルタナティブ・ハウスホールド」(もう一つの生活体)として 認めさせようとする動きが米国を中心として活発化し、国連にまで影響を与えようとしています。ま た日本においては「失楽園」や「援助交際」といった言葉に代表されるように、大人から青少年に至 2
・ 『天聖経』 第四章 真の家庭 るまで、性倫理の崩壊は深刻な事態になっています。私たちはこのような風潮に対し、家庭は本来こ うあるべきであるという標準をはっきりと示さなければなりません。  家庭は「愛の学校」です。私たちが真の愛をはぐくむ場所は、家庭をおいてほかにありません。訓 読会を通してまず私たち自身がその愛の理想を学び、それを実践するとともに、より多くの人々にそ の理想を伝えるため、本書が活用されることを願ってやみません。 二〇〇〇年二月 以上 真の家庭(合本版)2000(平成 12)年 2月 10日 初版 発行 3
・ 『天聖経』 第四章 真の家庭 『天聖経』 第四章 真の家庭 第一章 創造本然の真の家庭 ◆一 アダムとエバを通じた神様のみ旨  多くの人たちが神様のみ旨について語っています。しかし、この話は簡単なようで、いざ「神様の み旨とは何か」という質問を受けた場合、答えるのは非常に難しいものです。  また、今日まで多くの信仰者が「神よ、み旨を成さしめ給え」と祈ってきました。そして神様のみ 旨を成すために現在、私たちも信仰生活をしています。しかし神様のみ旨が何であるかもよく分から ずに、神様のみ旨が成されることを祈り、またそのみ旨のために信仰生活をしているというのは、一 つの矛盾だと言わざるをえません。(祝福家庭と理想天国I-二九八)  統一教会で見る神様のみ旨、すなわちレバレンド・ムーンが知っている神様のみ旨とは何でしょう か。それは神様が宇宙をつくった創造理想、すなわち創造目的を完成することです。神様はすべての 被造万物を創造するとき、必ず目的をもって創造されたので、そのような神様の創造目的を成すこと が神様のみ旨です。  その目的の中心は誰でしょうか。アダムとエバでした。それゆえに私は、創造の理想を実現するこ と、すなわちアダムとエバを中心とした理想を実現することが、神様の創造目的だと見るのです。  では、その理想実現とは何でしょうか。それはまさに四位基台を成すことです。四位基台とは、神 様を中心としてアダムとエバが、神様の愛の圏で離れようとしても離れられないように完全に一つと なり、理想的な夫婦となり、彼らが子女を繁殖することによってつくられる神様中心の家庭の基台を いいます。この四位基台が造成されれば、神様を中心としてアダムとエバが夫婦の愛で一体となり、 神様の愛の圏から離れられなくなります。(祝福家庭と理想天国I-二九八)  人間始祖を通しての神様の理想は何だったのでしょうか。神様の理想は理想的な男性と理想的な女 性が結婚して理想的な家庭を完成することでした。  それでは理想的な家庭を成す中心は何でしょうか。それは男性でもなく女性でもありません。家庭 とは結局、父母と子女、夫婦の結合によってつくられる一つの束で、その結ばれたものの中心は何か といえば、まさに神様の愛です。  神様の愛を中心にして夫婦が結婚し、神様の愛を中心にして家庭を完成させることが神様のみ旨で あるとの結論が出ます。(祝福家庭と理想天国I-三〇一)  神様の創造目的とは何でしょうか。アダムとエバをつくったのは、ただながめるためではありませ ん。男性と女性をつくったのは、男性は男性として、女性は女性として年老いて死んでいくためでは ありません。彼らが成長し、互いに異性に対する相対的な心情を通して、神様を中心とした人類の真 の地上天国を建設するようにするためでした。神様を中心とした愛の巣をつくるようにするためだっ たのです。  ここにおいて男性であるアダムは天を代表し、女性であるエバは地を代表します。それゆえ彼らは 二人ですが、彼らが横的に一つになれば、天と地が統一されるのです。神様の愛を中心に二人が統一 されれば、天宙は自動的に統一されるのです。(祝福家庭と理想天国I-二九九) ◆二 神様が絶対に必要とするもの  神様はなぜ彼造世界を創造されたのですか。神様は被造世界を通して喜びを味わおうとされたので す。神様がいくら絶対者だといっても、喜びを一人で感じることはできません。喜びは相対がいてこ そ生じるからです。  神様が必要とされるのは知識でもなく、お金でもなく、権力でもありません。神様ご自身が絶対的 4
・ 『天聖経』 第四章 真の家庭 で全知全能なので、そのようなものを必要とはされません。科学がどんなに発達しても神様かつくら れたものに追いついたり、越えたりはできません。膨大な宇宙は秩序の中で法度に従って運行してい ます。人間の思考と科学が及ぶことのできない膨大な宇宙を神様は創造され、運行しておられること を考えるとき、神様は絶対的な科学者でもあられます。  世の中に存在する物の中で、神様と相対となる力はありません。神様の力は全知全能であり絶対的 だからです。また永遠不変で自存的なお方が神様であられます。そのような神様が願われることがあ るとすれば何でしょうか。お金でもなく、知識でもなく、権力でもなく、何を願っておられるのかと いうのです。神様が必要とするものは何であるかが問題です。  神様が絶対必要とするものが一つだけあります。それは人間に絶対的に必要なものであると同時に 神様にも絶対に必要なもので、それが真の愛です。それでは神様お一人で愛を受けることができます か。神様はご自身で愛を思うままにすることができるのではないかというでしょうが、とんでもあり ません。神様において最も必要なものは、真の愛を分かつことのできる対象者なのです。これを知ら なかったのです。(祝福家庭と理想天国I-三〇四)  神様が絶対的なお方ならば、その絶対的な方がなぜ人間をつくったのかというのです。  お金のためにつくったのでもなく、知識のためにつくったのでもなく、権力のためにつくったので もなく、人間の創造が、神様の愛を神様ご自身が感じることのできる唯一の道であるがゆえに人間を つくったのです。  この観点から見るとき、神様は父であり人間は息子・娘だということが一つの軸をなすのです。こ の軸が万一連結されたならば、人間と神様が愛で一体となった関係は、何が作用しても絶対に引き離 すことができないのです。  神様の本然の愛と絆を結んで、その愛の味を味わった人は神様から離れていくでしょうか。蜂は春 に蜜を味わいます。蜜を吸っている蜂のお尻をつかんで引っ張るとお尻が抜けても、その蜂は蜜から 口を離しません。皆さんがその味を味わったらどうでしょうか。離しても離しても戻ってきて、再び そこにくっつこうとするでしょう。  この軸の愛に連結された全時空が作用する基準になっていれば、人間の家庭は、個人的に完成した 男性と女性が一つになって、愛を中心とした家庭が現れるのです。さらにこの愛を軸として成された 氏族、民族、国家、そして世界が現れるようになるのです。(祝福家庭と理想天国I-三〇五) ◆三 神様の永遠なる愛の相対者  神様がこの世界を創造されたのですが、私たちが神様に、何ゆえにこの世界をつくられたのかと尋 ねるならば、神様は間違いなく「善くて……」と答えるでしょう。「善くて」すなわち喜びのために、 喜びを得たいがために、神様はこの世界を創造されたというのです。  ところで善い状態、すなわち喜びはどのようにして得られるのかといえば、愛の形態を通して得ら れるのです。ですから神様は、愛の実現を通して喜びを得るためにこの世界を創造されたのです。そ のような結論を私たちは得ることができます。愛の実現のためにこの世界を創造された神様であられ ました。  人間と万物が神様の愛を中心に一つとなり、和気あいあいとした愛の関係を築くのを見て喜ぶため に、そして人間が神様の愛を中心に一つの真の夫婦の因縁を結び、一つの真の愛の家庭と氏族、民族、 世界を成すのを見て喜ぶために、そして、そのような人間と愛で一つになることによって愛の喜びを 味わうために、被造世界を創造された神様であられました。  まさにそれが神様の創造の理想だったのです。(祝福家庭と理想天国I-三〇二)  神様の夢はただ一つ、愛の理想を実現することでした。ところが愛の理想の実現は、神様お一人で は果たせないのです。愛とか幸福、喜びなどは一つの個体を中心として成り立つようになっているの ではありません。相対圏がなくては絶対に成立することができないのです。(祝福家庭と理想天国I -三〇三)  神様は絶対的な存在ですが、愛の相対となる存在がなければなりません。神様の愛の相対者はまさ に人間なのです。 5


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